其之七
城北高校。青嵐高校と同様に有名な進学校だ。
青嵐と違って、城北高校の歴史は浅い。そのため文武ともに力を入れ、そして台頭してきた高校である。
特に、男子剣道は、ここ近年は県内で、団体・個人ともに優勝という輝かしい成績を残していた。
「おい、健太はどこに行ったか知らんか??」
城北高校剣道部顧問、青山哲史は、道場の掃除をしていた一年生部員に聞いた。
「石川先輩なら、青嵐に偵察に行くって言ってましたよ。」
「ふーん・・・そうか。そこまで、念を入れるとは、アイツも抜かりないな。今年も優勝まちがいないだろう。お前らも健太"先輩"を見習えよ。」
「はい。僕、あの人に憧れて入部したんです。」
一年生は、一旦掃除をしていた手を止め、目を輝かせながら言った。
「おお、そうかそうか。頑張って城北の名を轟かせるような選手になってくれよ。ガッハッハッハ・・・。」
「はいっ!」
力強く返事をしたその輝いた目は未来の自分を思い描く希望に満ちたもののようだった。
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「はあ、はあ、はあっ・・・・。何気に遠いな・・・。」
自転車のペダルを漕ぐ足を一時休め、自販機のスポーツドリンクを飲み干した。
石川健太は、城北高校剣道部主将だ。前大会、決勝で三村俊介を下し、見事優勝した。
三村俊介の剣を「柔」とするなら、石川健太の剣は「剛」といったところだろう。
その突進力と形相から「鬼人」あるいは「豪剣」と呼ぶものもいた。
対して、俊介は流麗な身のこなしと容貌から「剣聖」と呼ばれることもあった。
健太は、今まで俊介に負けたことはなかったが、自ら偵察に赴くほど俊介を買っていたのだろう。
しばらくペダルを漕ぎ続けると、ようやく目的の場所へと辿り着いたようだ。
「っしゃあ、やっと着いたぁ!」
健太は息を整え、青嵐高校の門をくぐった。
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