其之拾伍
そして、僕らはボーリング場を後にし、その「サン・プロジェクト」内にあるカラオケボックスに行くことにした。
超定番な流れだ・・・。
ボックスの一室に入り、順に好きな曲を入れ僕らはカラオケを楽しんだ。
まずは、スマイリーがワイルダネスの【ハリネズミのブルース】を大音量で声を張り上げ歌った。
正直、うまくはなかったが、これで一気にみんなのテンションがアップした感じがした。
スマイリーは、さすがに、こうゆう盛り上げが上手い。机に飛び乗り、みんなを煽り、サビを大合唱した。みんなスゴイ拍手をしたものだから得意気な顔で笑った。
次は、谷本だ。コイツはマイクを握ったら離さなそうなタイプだが、実は歌が苦手らしい。
ビジュアル系ロックバンド、ジュブナイルの【フライ・アウェイ】をなんとか歌いきった。
谷本は、そそくさと僕にマイクを預け、また陽子ちゃんと話し始めた。
そして、僕が歌う曲を決めかねてたところ、
藍ちゃんは僕に微笑みながら言った。
「わたし、チェスターフィールドが好きなんだ。瑞樹さんは?」
実は僕は大の音楽好きで、そのきっかけが、チェスターフィールドだった。
とある店のスピーカーから流れてきたその繊細な曲に凄い衝撃を受けたんだ。
それからというもの、僕はチェスターフィールドのCDを買い漁り、毎日のように聴いては、それに合わせて歌ったものだ。
そして、姉に言われたのが、「みっちゃん、チェスフィーの緋村さんに声そっくりね・・・。」という一言だった。
それからだ、僕が調子に乗ったのは・・・。そう、カラオケは僕が得意な分野だ。
でも、いまだに仲間内でカラオケに行ったことはなかった。なぜか気恥ずかしい気もあったからだ。
つまり、スマイリーや谷本が僕の歌を聴くのは初めてだったんだ。
「え?マジで??オレも大ファン!!CD全部持ってるもん!!」
僕は目を輝かせながら、藍ちゃんに言った。
「えー??ホントにー!??わたし、【ユメノカケラ】が好きー!歌ってー。」
藍ちゃんがそう言うものだから、僕はついリモコンで、【ユメノカケラ】を選曲してしまった。
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