其之弐拾壱
僕は和也に合コンの日の出来事を話した。
ミキちゃんが和也を好きだってこと、
帰り道で出会った麗華のことは伏せて。
「へー。じゃあ、瑞樹が一番いい思いしてんじゃん。
藍ちゃんってコにはその後連絡したの?」
和也はシャーペンを器用に廻しながら言った。
「いや・・・。それがまだ・・・」
僕はうつむいて答えた。
「え?なんで??」
「いや、実は気になるコがいてさ・・・・。
もちろん、藍ちゃんはイイ娘でカワイイんだけど・・・」
「え、そんなコいるんだ?同じクラスか?」
「それが・・・・二年の時、和也も同じクラスだった
藤崎麗華ちゃんってコなんだ」
「・・・ああ、あの藤崎か。まあ、可愛いけど・・・。
なんか地味だったなあ。
たしか女子からはハブられてたような・・・」
「やっぱ、そうなの?
なんでそんなハブられてたりするんだろ?
オレが会った時には明るくて
いい感じのコだったんだけど・・・」
「うーん。そうだなあ・・・
そこんところはオレもよくわかんないんだ。
一年の頃からそんな感じだったみたいだから・・・。
って、瑞樹、藤崎と会ったの?」
「あ、・・・・うん。その合コンの帰り道に・・・」
「そっか・・・・。
で、藍ちゃんより藤崎のほうが気になるってことだ?」
「ああ。うん・・・。
彼女と話した時、なんかこう
胸がしめつけられるような気がした。
あんな気持ちは初めてなんだ・・・」
「そっかあ・・・。
しかし、瑞樹が恋愛話をするなんて
思ってもみなかったな」
和也は微笑みながら言った。
その笑顔はどこか大人びていて、余裕がうかがえた。
そんなところに、
女の子は惚れてしまうのではなかろうか。
「そんな気持ちになるなんてそうとうなモンだよな。
今までのお前は人を寄せ付けない雰囲気もあったし、
なにぶん、そんな浮いた話しなかったから」
「はは。そうかな・・・」
僕は照れながら言った。
「なら、オレも応援するよ。よかったな。
ようやくお前にもひとつの目標がみつかったんじゃん」
「ああ、サンキュ。
・・・人よりすこし遅いかもしれないけど」
「そんなの関係ないよ。
ただ、今までにそんな風に思えたヒトに
出遭わなかったってことだろ。
お前はお前のペースでいけばいいんだって」
「ああ、そうだな」
僕は和也に背中を押してもらった。
その掌はきっとあたたかくて、人を癒す力に溢れている。
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