其之拾七
僕は、一人自転車を漕ぎながら家路についた。
駅から自宅までは自転車で20分といったところか。
考える必要もないといえば、そうなんだけど、その道中、スマイリーのこと、藍ちゃんのことが頭に渦巻いていた。
普通なら、女の子に電話番号を聞いたというだけで高揚し鼻歌まじりで帰るくらい僕は女の子に縁がなかったのだけど、どうもスマイリーのことでモヤモヤしていた。
自分は結構クールな人間だと思っていたのだが、最近、和也に指摘されるように何か変わったのかもしれない。
アイツらとつるむようになったのは高三になってからだった。
もちろん、俊介とは中学のころからの付き合いだ。
僕は中学までサッカー部に所属していた。これでも県下では結構有名な選手だった。
中三の時、県大会決勝で僕がPKを外したことが原因で敗れ、大会後、部室でリンチにあった。
それは、僕が今まで実力を鼻にかけていたフシもあったからだろう。
自業自得といえばそうなのかもしれないが・・・。
そこで僕はリンチの主格、サッカー部主将の真田正之だけを狙い、応戦した。とゆうより、もがいたのだ・・・。
やられたままでいられないという一心で、もがき足掻いた。
僕はボコボコにされ、足を折られた。
だが、真田だけは顔面が腫れ上がるほどに殴ってやったんだ。
僕は、部を辞め、停学になった。もちろん入院することになったのだが。
そして復学以降は人を寄せ付けない雰囲気があったようだ。友人と呼べる人間もいなくなった。
・・・・そのとき、声をかけてくれたのが俊介だった。
他愛もない話をしただけだった。でも、その時の僕にはそれで、どんなに救われたことだろうか。
当時の俊介は今からは想像もつかない容姿だった。頭は丸坊主で、制服も標準型。
生徒会長もしており、模範生徒の見本のようなヤツだった。
剣道の腕はそのころから抜きん出ていて、全国大会にも出場したほどだ。
俊介といる時は、僕は笑顔でいられた。それが唯一の時間だったのかもしれないほどに。
そして、高校に入学。俊介はなぜか、髪を伸ばし茶色に染めた。
剣道部に入部するものだと思っていたが、入学当時は剣道をやるつもりはなかったようだ。
その理由を僕には、なにもおしえてはくれなかった。僕も聞きはしなかった。
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