その週の日曜日が訪れた。
停学中で、本当は自宅謹慎していないといけない
身だったけど、僕は麗華に会いに、
約束をしていた、あの公園へと向かった。
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「よお!」
「あ、沢村くん、ゴメンね・・・
私のせいで・・・」
麗華は、少し涙ぐんで僕に謝ってきた。
「いや、いいんだよ・・・
オレが勝手にやっただけのことだから
・・・でも、おかげで、ギターを練習する時間が
出来たよ・・・はは」
「グスッ・・・あは・・・・そうだね」
麗華は涙を貯めながらも、笑顔をみせてくれた。
「しかし、ヒドいな・・・もう長いの?」
「・・・・うん。でも、私が耐えれば
済むことだから・・・」
「だめだって。そんなこと言ってちゃ・・・
今度また、何かあったらオレが駆けつけてやるよ」
「・・・ううん。いいの。沢村くんに迷惑かけちゃうだけ
だもん」
「迷惑なんかじゃないよ。オレの先生じゃん。
今度はオレが藤崎さんに恩を返さなきゃ、だろ?」
「・・・うん・・・・ありがと」
「実はさ、今日はちょっと話があって・・・・」
僕はついに、切り出そうとした。
「・・・・あ、ちょっといいかな?」
麗華に話の腰を折られてしまった。
「実は、スウィンドルの新譜買いたいんだ。
BLUE STEPSに買いに行きたいんだけど、
それからじゃダメかなあ?」
「・・・ああ、スウィンドルね・・・・
うん、いいよ。別に急ぎはしないし・・・」
「ありがと。じゃあ、いこ!」
麗華は僕にいつも見せてくれる笑顔をようやく
完全に取り戻してくれたようだ。
この笑顔を曇らすモノから僕は彼女を守りたい、
そう思えた。
僕らは、自転車に乗って駅前に向かった。
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「お。麗華ちゃーん!!」
その道中で、向井大輔と鈴木恵に会った。
「あ、こんにちわ」
「今日は、どうしたの?」
「あ、これから、CD買いに行こうと思って・・・」
「ああ、そうか。スウィンドルのアルバムが出てたっけ」
「うん。私、ハマってて・・・」
「・・・・そっか。で、そこの彼は?」
大輔は、僕に手を向けて言った。
「あ、同じ学校の沢村瑞樹くん」
「沢村くんか、こんにちわ。はじめまして。
向井大輔です。こっちが、鈴木恵」
「こんにちわ。鈴木です」
「あ、こんにちわ。沢村瑞樹です。はじめまして」
「沢村くん、最近、ギター始めたんだよ。
いずれ、ストリートデビューすると思うから、
よろしくね」
麗華は、満面の笑顔を二人に見せた。
「へー。じゃあ、そん時は聴かせてもらうよ」
大輔は麗華を、妹を見るような目で見ているのが
僕にも分かった。
そこで、しばらく話しをして、二人とは別れ、
僕らは、また駅のほうへと向かった。
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「ねえ。あのコじゃない?麗華ちゃんの言ってた、
好きな人って」
恵は、大輔に向かって興味深そうに言った。
「ああ、そうかもな。今まで、麗華ちゃんは、オレらに
元気よく、笑顔を見せてくれてたけど、
どこか影が見えたんだよな・・・・
それが、彼の前では違ってたように見えたよ」
「うん。私もそう思うな・・・・。
あの二人、うまくいくといいね」
「ああ、そうだな。・・・
あ、でも、幸雄くんは・・・?」
二人は、顔を見合わせて笑った。
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「店長!こんにちわ」
「おお、麗華ちゃん、こんにちわ。
お、沢村くんも、こんにちわ」
「あ、こんにちわ」
「今日はどうしたんだい?」
園田は、麗華に優しく問いかけた。
BLUE STEPSの店内は、お世辞にも客が多いとは
いえなかった。
すこしヒマそうにしていたのかもしれない。
「スウィンドル、まだあるかなあ?」
「ああ、うん。まだあるよ。そういや、麗華ちゃん、
スウィンドルの大ファンだったもんね」
「うん。じゃあ、それ、ください」
「おお、ありがとーね」
園田は、CDを袋に入れ始めた。
その頃、僕は小物のコーナーで、ピックやカポタストを
見ていた。
「いいの、あった?」
背後から、買い物を済ませた麗華が僕に問いかけてきた。
「うん、コレとか買おうかな・・・」
そう言って、僕は麗華のほうを振り向こうとした。
その瞬間、彼女は店長の方を見て、何かに気付き、
そして、沈んだ顔を見せた・・・。
園田は、年齢からすると二十代半ばくらいの地味目な
女性と親しげに話しをしていた。
麗華は、それを見かけてしまったんだ・・・・。
僕は気付いてしまった。
麗華が、園田のことを好きだということに・・・・。
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