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2008年6月24日 (火)

其之参拾伍

僕は公園のブランコに腰かけたまま、しばらくの間

うつむき、考え込んでいた。

その後、今まで赤味がかっていた夕焼けは、

薄暗い闇雲に包まれ、やがては雨を降らせた。

僕は傘もささずに、その雨にただ打たれていた。

それはまるで、僕の痛みをキレイに

洗い流してしまいたいがためのようでもあった。

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「瑞樹さん!どうしたんですか!?

ズブ濡れですよ・・・」

そう言って、赤い傘を手にした女の子が

僕に近寄ってきた。

藍ちゃんだ。

僕は、あの後つい、藍ちゃんにメールして、

この公園に呼び出してしまったんだ・・・。

近寄ってきた藍ちゃんを、僕は間もなくギュッと

引きよせ、そのまま強く抱きしめた・・・・。

「・・・瑞樹さん・・・・」

藍ちゃんは、僕に何があったのかを漠然と

気が付いたようで、何も言わずそのまま僕を

抱きしめ返してくれた。

僕はなんて、卑怯な人間なんだろう・・・

一度は引き離そうとした女の子を、自分が傷付いたから

といって、その傷を癒してもらいたいがため、

利用してしまっているようなものだ・・・。

僕はなんて、弱い男なんだろう・・・

ただ、その小さな体は、雨に冷たく震えながらも、

僕を包み込んでくれていた。

その心底に溢れるぬくもりを感じた僕は、

この華奢な肩を、この濡れた綺麗な黒髪を、

この潤んだビー玉のような瞳を、愛おしいと思ったんだ。

真っ赤な傘は持ち主を失い、そのまま僕らの横を

転がり、風に舞った。

そして、冷たい雨に打たれながら、

二人のシルエットは近づき、しばらく離れなかった・・・。

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